足利事件再審 元検事「深刻に思う」 菅家さん「謝って」

栃木県足利市で90年、4歳の女児が殺害された「足利事件」で無期懲役の判決を受け、昨年6月に釈放された菅家利和さん(63)の再審第5回公判が22日、宇都宮地裁(佐藤正信裁判長)で開かれ、午後から菅家さんを取り調べた当時の宇都宮地検検事、森川大司(だいじ)氏の証人尋問がありました。

冒頭、菅家さんは怒りを込めて「17年半もの間、無実の罪で捕まっていました。どう思いますか」と直接問いただしました。森川氏は「当時、主任検事として全証拠を検討した結果、菅家氏が犯人に間違いないと判断した。今回、あなたがDNA鑑定で犯人ではないことが判明したとうかがって、非常に深刻に思っている」と淡々と答えました。菅家さんが「自分に無実の罪を着せたことに謝ってください」と求めると「当時の証拠から犯人であることを疑う証拠はなかった。厳粛に深刻に受けとめている」と答えました。